静岡宇部コンクリート工業事件


静岡宇部コンクリート工業事件
東京高等裁判所判決 昭和48年3月23日
判例タイムズ299号311頁

生コンクリート製造販売会社に試採用された生コンクリートミキサー車運転手が、試用期間中、生コン車を運転して路上に駐車した際、生コンの容器内で回転している羽根のスイッチを切つたまま従業員集会に出席し、1時間後同僚の注意を受けて車に戻り直ちにスイッチをいれたところ、すでに生コンが固まつていたため、羽根を回転させるローラーチェーンを切つてしまうという事故を起したことにより、3か月の試用期間満了とともに本採用を拒まれた。
使用者は、試用期間中と本採用後とは別個の労働契約であり試用期間満了とともに労働契約は終了していると主張したが、本判決は、試用期間の定めがあつても1個の期間の定めなき労働契約が成立し、ただ使用者は試用期間中就業規則所定の解雇理由等に拘束されず、一層ひろい裁量判断権をふくむ解雇権を留保しているすぎないと判定した。
この点は近時の判例のとる見解と同一である。
試用労働者が期間満了とともに本採用拒否すなわち解雇されたのを争う事案は少くないが、本件も生コンクリートミキサー車運転手につき一つの事例を示したものであり、かつ事案にかんがみ使用者に幅広い裁量権を与える見解にたつものと推察もできる。
一事例として紹介する。

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