日本電気事件


日本電気事件

大学に五年間在学したのちに中退したことおよび以前の職歴を秘匿したことを理由とする、それを使用者が知ってから二年経過した後になされた懲戒解雇の効力が争われた事例。

横浜地方裁判所判決

1978年12月15日

タイムズ382号115頁/労働判例313号48頁/労経速報1002号12頁

〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-経歴詐称〕
 本件解雇は被申請人において申請人の学歴秘匿等を知つてから約二年間経過したあとになされてはいるが、しかし、前記一の4の(2)ないし(4)のとおり被申請人は右秘匿の事実を知つた昭和四九年一〇月に申請人に退職勧告をなしたが申請人がこれに応じないのでやむなくその動静を見守もることとしたもので、右秘匿を容認し、これを将来的に不問に付す趣旨にて雇用関係を続行したものではなく、加えてその後本件解雇直前である昭和五一年七月には被申請人は新たに申請人のX労働組合在籍という職歴秘匿を知るとともに、上述来の経歴秘匿と密接な関連性を有し、いわばその延長線上に位置する申請人の被申請人に対する現住所不申告の所為をも知るに至つて本件解雇を決着するに至つたのであり、以上のような事情に同年八月における申請人と被申請人間の現住所申告に関する折衝の経緯、とりわけ申請人の対応を加味して考えると本件解雇が被申請人の学歴秘匿等を知つてから約二年間経過してなされたという一事をもつてはいまだ解雇権を濫用したものと解することはできず、この点の申請人の主張もまた採用し難く、他にも解雇権を濫用したものと認め得る疎明は見あたらない。
 4 右1ないし3の判断によれば、申請人の三重大学在学秘匿を中心とする本件経歴秘匿は懲戒解雇事由たる就業規則第七一条一項一号に該当するので、本件解雇はそれなりの理由があり、有効なものというべきである。
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