ゴールド・マリタイム事件


ゴールド・マリタイム事件(平成4年最高裁第二小法廷判決)

最高裁判所第2小法廷判決 平成4年1月24日

労働判例604号14頁

(1) 本件は、勤務中の所在不明や無断早退等を理由とする懲戒解雇が裁判上その効力を否定され、大阪地決昭59・11・12カード四四五、労経速一二一三)、右労働者が復職したが、会社が、社内に配置すべきポストがないとして、下請会社への出向を命じたところ、右労働者が右出向先での就労を拒否し、年休の時季指定をして欠務したことに対し、会社が右行為等を理由に右労働者を諭旨解雇したことにつき、右解雇の効力が争われたものである。

(2) これに対し、一審は、本件労働者に出向義務はないとして、本件諭旨解雇を無効としたが、二審は、「会社は従業員に対し、他の会社または団体に出向して勤務させることがある。」との就業規則の規定に基づき、本件労働者に出向義務があるが、本件出向命令には業務上の必要性、人選の合理性ともに認められず、権利の濫用にあたるとして、本件出向命令の効力を否定したうえで、本件諭旨解雇を無効とした。そして、最高裁も右結論を維持した。

(3) 原判決の認定を前提とする限り、本判決の結論は妥当視されよう。なお、本件は会社側の上告であり、その上告理由も原判決が本件出向命令を権利濫用と判断したことのみを問題としているから本判決は右の点についてのみ判断したものであり、前記就業規則から出向義務を肯定したことについての肯定までも含むものではないと、解すベきであろう。

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