大阪暁明館事件


大阪暁明館事件
大阪地方裁判所決定 平成7年10月20日
労働判例685号49頁

(1)本件は、債務者である社会福祉法人の経営する病院が定年(六〇歳)以後も再雇用していた看護婦、ソーシャルワーカー、事務職員、嘱託を経営再建を理由に解雇したため、債権者らがその無効を主張して地位保全及び賃金仮払いを求めたものである。本決定は最年長の一名を除き申し立てを認容した。
(2)本決定は、整理解雇の正当性を判断する際の判例法の基準としてすでに定着したと思われる四つの要件(一掲記)の、人員整理の必要性、回避の努力、人選の合理性、手続きとしての当事者等との協議を挙げ、就業規則所定の「病院の業務の必要上やむを得ない事中のあったとき」の適用、解釈についても右基準が妥当するとした(代表的先例として東洋酸素事件東京高判昭54・10・29労民集三〇巻五号一〇〇二頁)。本決定は、右基準に従い本件解雇の相当性を検討した結果、病院の当面する経営状態から定年経過後の者の整理解雇の必要性は一応認められ、解雇回避の努力および組合との協議説明も尽くされているが、人選の合理性については、債権者らの所属部署の人員配置等からみて妥当でないと認め、一名を除き本件解雇は無効とした。近時の判例には、要件は厳しいが結論として右要件の具備を認めるものが多くなっている(福岡県労働福祉会館事件福岡地判平6・2・9労判六四九号一八頁など)状況からみると、整理解雇の必要性を認めながら人選の合理性の点で否定の結論に至っている本決定は注目を引く(最近の類例として新潟労災病院事件・新潟地高田支決平6・8・9労判六五九号五一頁)。

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